ある森の中、一軒のおうちがありました。
そこには猫のあぺりらが住んでいました。
「うう…さむくなってきたにゃぁ」
「もう12月だにゃ。暖炉のまきも準備したし、冬毛ももふもふにゃ。
あとは・・・そうにゃ、クリスマスツリーがないにゃ!」
クリスマスの準備をしていなかったことに気がついたあぺりらは、
近くに住んでいる、くまさんのおうちを訪ねにいきました。
「くまさん、こんにちはにゃ」
「おやあぺりらちゃん、こんにちは。もしかして、そろそろあの季節かい?」
「そうにゃ、今年もよろしくにゃ」
ツリーになるもみの木を求め、くまさんと連れ立って、
森の奥深くへと歩いていったあぺりら。
「このもみの木なんてどうだい?」
「ちょっとおおきいかにゃ」
「あぺりらちゃんは小さいからなぁ。じゃあこっちはどうだい?」
「うん、これならちょうどいいにゃ」
くまさんはもみの木を折ると、軽々とあぺりらのおうちに運んでくれました。
「くまさんは力持ちですごいにゃ」
おうちへ帰る途中、きれいな赤い実がなっているのを見つけました。
「きれいな赤い実だね、これをツリーの飾りにとっていこう」
「でも届かないにゃ…」
「どれ、抱っこしてあげよう」
あぺりらのおうちに着きましたが、体の大きなくまさん、
小さなあぺりらのおうちには入れません。
背中を丸めて腕をのばして、ツリーを部屋の中にいれてくれました。
「いつもありがとうにゃ」
「いいんだよ。くまは力持ちだからね、できるものができることをやればいいのさ」
「これ、ちょうど昨日作ったキプフェルにゃ」
「わあ!いいのかい?」
「くまさんにはほんのひとくちだと思うけどにゃ」
「最高のひとくちさ!」
こうして、あぺりらのおうちにツリーがやってきました。
次はツリーの飾りつけです。
ep.2につづく
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